世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド

私は本を読むのは好きだけどその本の感想文を書くのは苦手本を読んでそのつど思うことはあるのに、いざそれを文章にしようとすると本当に苦労する。と、まぁそんな前書きはいいとして、この村上春樹氏の「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」をやっと読み終えたのだが、思ったことは多々あるのにやっぱり上手い表現が見つからない。ただ私は、もしこの世界の終わりのような苦しみも憎しみも争いもない、だけど喜びも愛することもできない心のない世界に行けるならきっと選ぶだろう。私の中のちっぽけな人生など投げ捨てて喜んでそちらを選ぶことができる。心もいらない。けれどね、主人公の影が言ったその世界の払う代償、弱き無力な獣たちに人間の自我を背負わせ押し付け保たれる世界が完全なのか?という言葉が胸に響く。完璧な世界なんてない、そこには必ずその代償となるものがあるんだってこと。そんなことを深く考えてみたりした。と、まぁそれとは関係ないんだけど今日は雨上がりの朝の空気、自然がとても気持ち良かった。日々の生きる幸せって案外そんな小さなところにあるんだ、とこの本を読んで感じた。

この本の次に手に取って読んでるのが東野圭吾の秘密。(本当に)偉そうに言ってしまうと、村上氏の本を読んだ後だから余計なのかもしれなが、東野氏の文章表現は少し乏しく感じてしまう。以前、伊坂幸太郎氏の「重力ピエロ」を読んだ時に感じたものと似ているかも。でも、東野氏の「白夜行」ではそんなこと思いもしなかったんだけどなぁ。読書を好むようになって少しずつではあるが、嗜好が変わってきたような気がする。最近は(これまた)偉そうだが、単純に難しい文学小説とかを読んでみたいなぁと思ってる。でもまぁ「秘密」、楽しめそうなストーリーではあるのでじっくり読んでいきたいと思います